『財団だより多摩川』の最終号が発行されました

1979年3月より、多摩川と周辺地域の暮らしを結び付けてきた情報誌『財団だより多摩川』が、2021年3月をもって最終号となりました。

 

この『財団だより多摩川』は、もともと多摩川の水質改善のために、市民の理解と参加を促すために発行された情報誌。

1970年代の多摩川水質汚染が著しく、川面は洗剤の泡に覆われていたと言います。いわゆる高度経済成長の負の側面というやつですが、1974年には「とうきゅう環境浄化財団」(2019年より東急財団に統合)が設立され、市民、企業、行政の連携体制が徐々に整えられていきます。

以降、ご存じの通り多摩川の浄化は大きく進展し、現在ではアユが遡上するほどの水質改善を見せています。いわばこの、泡からアユへ至る多摩川の変遷を、『財団だより多摩川』は記録する形になっています。水質の情報だけにとどまらず、多摩川と地域のつながりを歴史や文化的な側面から伝える稀有なメディアでした。

 

個人的な気持ちとしても、いつか書いてみたい媒体のひとつでした。今号で最終となってしまうのは非常に残念です。

 

1979年3月の創刊号から2021年3月の最終号に至るまで、バックナンバーは全号ウェブ上でダウンロードでき、多摩川流域を知るためのとても貴重なアーカイブとなっています。

現在から過去へと遡上するように、バックナンバーにあたってみるのも楽しいですよ。

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